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鼠径ヘルニア(脱腸)ってどんな病気?

鼠径ヘルニアってなんですか?

 「鼠径ヘルニア」とは、鼠径部:太ももの付け根の部分(図:黄色)にお腹の中にある腸管などの内臓の一部などが、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。腸管が脱出することが多いため、脱腸(だっちょう)とも言われています。

鼠径ヘルニアは小児から高齢まで幅広く見られる病気ですが、成人の場合は、中高年の男性に多く、力仕事や立ち仕事をしている人や便秘症、肥満、前立腺肥大症、喘息、妊婦などが多いです

腹壁には弱い場所があり、年齢とともに筋膜が衰えてくると発症しやすいです。

どんな症状がでますか?

 この病気の特徴は、太ももの付け根(鼠径部)に違和感や膨らみを感じます。
おなかに力が加わると飛び出しやすく、指で押したり、仰向けになると元に戻ることが多いです。
症状は人それぞれですが、鼠径部に痛みお腹が突っ張る感じがするなど、様々です。
また、男性の場合は陰嚢が腫れてくることもあります。

人によっては症状も幅広く、また下半身の病気なので恥ずかしいと思い、症状があるのに受診を我慢している方も多いです。場合によっては緊急手術になることもあるので、ご自身の症状が少しでも当てはまる場合は一度、受診をお薦めします。

何科に行けばいいですか?どういうことをしますか?

 外科を受診しましょう。

身体所見と触診で診断します。ただ、体表の所見や症状だけでは脱出している臓器が何かはわかりません。
詳しく調べるときには超音波検査やCT検査を行います。

どうやって治すの?

 手術が唯一の治療法です。

放置しておくと、飛び出ている腸管が周りの筋肉で締め付けられて戻らなくなることがあります。この状態を嵌頓(かんとん)といいます。 
腸管が嵌頓すると、腸管の途中で流れが止まり、腸閉塞の状態となります。また腸管への血流が遮られるため、腸の組織が壊死し、
緊急手術となります。腸が壊死した場合には腸管切除が必要となります。

 通常の鼠径ヘルニアの術式は大まかに分けると、鼠径部の局所切開と腹腔鏡下手術の2種類があります。下図は局所切開と腹腔鏡下手術の切開図例です。
 
  局所手術 腹腔鏡下手術
       

腹腔鏡下手術は、3、4カ所を5~12mm切開し、お腹の中に内視鏡スコープと器具をいれて腹壁の孔を塞ぎます。
スコープで病変部を拡大できるので細かい血管や神経をみながら精緻な手術を行えるメリットがあるので、
当院では腹腔鏡での手術を積極的に行っています。
  1. 手術・退院後の痛みが少ない
    高解像度のカメラによる拡大視を活用し、細い血管や神経を傷つけずにできるので、痛みが少ないです。
  2. 早期に社会復帰が可能
    傷が小さいので治りが早く、短期入院ですみます。当院では2泊3日の入院を原則としています。
    手術前日に入院していただき、翌日に手術、3日目に退院となります。
    退院後は、普通通りに生活しても問題はありませんが、運動、力仕事は2週間過ぎてからになります。
  3. ヘルニアになりやすい領域も予防治療
    腹腔鏡は内側から広い範囲で行えるため、ヘルニアがなりやすい領域(内・外鼠径、大腿)までメッシュ(補強材)でカバー・補強することができます。また、鼠径ヘルニアは両側になるので反対側の診断も手術中にできます。
  4. 手術時間は1.5~2時間程度
    日帰り手術(局所麻酔手術)より、細かい処置や診断ができるため、手術時間は若干長めですが、
    安全に的確な手術が可能です。全身麻酔なので手術中の痛みはありません。

鼠径ヘルニアのまとめ

  
前田病院で手術すると・・・・

検査・診断、手術も含めて短期間で治療が可能

腹腔鏡手術では5~12mm程度の小さい傷が3、4カ所程度で跡が目立たない

入院期間は2泊3日

縫合糸は溶ける糸を使用しますので、抜糸はしません




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